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ワイン・ニュースのまとめ

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あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

2014年の一発目は正月休みの間におきたワイン関連のニュースでスタートします。

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1397621_534320066663681_482898372_o(イメージ:Wine Australiaより)

北半球は冬真っ只中だが、南半球は2014年ヴィンテージの収穫時期は数週間後に開始するが、オーストラリアからは先行きが心配してしまうようなニュースが・・・

豪州の大手ワイン会社3社のAccolade Wine/アコレード・ワイン社Pernod Ricard/ペルノ・リカール社Treasury Wine Estate/トレジャリー・ワイン・エステート社は共に葡萄の仕入価格最大で50%引き下げると昨年の12月に発表をおこなった。豪州ではワインのオーバーストック販売が伸び悩むとここ数年の実績が理由として仕入価格の引き下げを行なったと推測される。2011年の干ばつを皮切りに豪州ワイン産業は一時の成長から下降傾向が続いており、葡萄の価格が一時より立て直し上昇傾向であったが、昨年年末の大手ワイン会社の発表は農家にとっては死活問題で、このまま葡萄栽培を続けることができるのかが問われてしまうほのの事態になっている。

すでにシャルドネ種モスカット種の仕入価格が最も大きく落ち込むと発表が出ている。この事態を踏まえ、白ワインを専門に栽培している北西ヴィクトリア産地の葡萄農家協会の代表者は多くの葡萄農家に影響が出ると予測しており、このまま葡萄収穫を行なわず、必要な手続きを行なう農家も出るとも予測している。特に残念なことは葡萄そのものには特に質も問題はなく、オーストラリア全体で見るとワインの評価が高まっていることが実態。

急激に成長したオーストラリアのワイン産業が一旦リセットする意味で仕方がないことなのか、それとも何か産業全体の巻き返しか、葡萄農家への救済策がとられるのを待って我慢するのか、重大な判断が多くの農家に迫っていることだけは確かだ・・・

(ニュース・ソース:ABCより)

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OB-IO675_sauter_G_20100521112458(イメージ:The Wall Street Journalより)

フランスのソーテルヌ産地でも重大な判断が迫っている。ソーテルヌはセミョン種ソーヴィニョン・ブラン種の葡萄で造られる貴腐ワインが真っ先に頭に浮かび、極甘口でデザートワインとして味わわれているワインを連想すると思う。有名な生産者としてはシャトー・ディケムが挙げられる。

ソーテルヌ産地は5つの村(ソーテルヌ、ボンム、フォルグ、ブレイニャック、バルザック)で構成されおり、ボルドー南部の<グラーヴAOC>の一部となっている。実はアルコール度数が13%以上甘口貴腐ワインのみが<ソーテルヌAOC>の表記を許可されており、同じ生産地でその他のスタイルの白ワインはすべて大まかな<ボルドー・ブランAOC>の表記を使用する。

ここ数年、甘口貴腐ワインの業績が伸び悩んでおり、ソーテルヌでは上質は<ドライ・スタイル>の白ワインも生産していることを認知してもらうために、<ドライ・スタイル>の白ワイン限定に、大まかな<ボルドー・ブランAOC>よりも更に産地を特定できる<グラーヴAOC>の表記を使用し、売り出す案が出ている。

これに待ったをかけているのが、ソーテルヌ産地を代表する甘口貴腐ワインを造る生産者たち。隣のセロンAOCでもおきた現象で、同じように<グラーヴAOC>の表記を許可した後に、多くの生産者が甘口貴腐ワイン造りから離れてしまい、<ドライ・スタイル>専門にスイッチしてしまったのである。当然、ソーテルヌ産地の5つの村の生産者も、市場がドライ・スタイルを求めているのなら、そっちに切り替える生産者も出てくると考えられ、伝統的な貴腐ワインを扱う生産者が減少する可能性もある。

伝統を守り続けるのか、それとも市場の需要を追って生産をおこなうのか議論が高まるような気がする・・・

(ニュース・ソース:Decanterより)

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Optimized-IMG_5654(イメージ:My Beautiful Adventuresより)

最後はカリフォルニアから。特にニュース性はないが、国内でもお馴染みのRavenswood/レイヴェンズウッドの創業者、元ZAP(ジンファンデル・アドヴォケート&プロデューサー)の代表、そして現在はワイン・グループ会社大手のコンステレーション社でシニア・ヴァイス・プレジデントを勤めているジョエル・ピーターソン氏Drink Business誌のインタビューでカリフォルニア特有の品種の一つ、<ジンファンデル>の今後の展開を予測する内容を公開した。

ピーターソン氏は<ジンファンデルのゴッドファーザー>と呼ばれることもあり、リッジのポール・ドレーパー氏と共に30年以上、ジャグ・ワイン(バルク・ワイン)から始まった葡萄がプレミアム・ワインに使用されるカリフォルニアを代表する品種に仕立てた貢献度は誰もが認めている。

レイヴェンズウッドやリッジはジンファンデルの扱い方に対して研究を1970年代から重ねてきた。ピーターソン氏は当初のジャグ・ワインから<オールド・ワールド>スタイルでプレミアム・ワインとして理想とされる12.5%~14%のアルコール度数のワイン造りに取り掛かった。一方で<ジンファンデルの誕生地>と呼ばれるアマドール郡では遅積みの超熟成でアルコール度数16%のワイン造りが盛んに行なわれていた。結果的に90年代に入るとピーターソン氏が目指していたスタイルと超熟成スタイルの中間あたりを<Turley/ターリー>が表現することに成功し、ジンファンデルとして初めてロバート・パーカー氏から100ポイントを<Turley 1994 Hayne Vineyard Zinfandel>が獲得した。それでもピーターソン氏にしてみれば、ターリーのワインはオーク樽臭が強く残り、高いアルコール度数のワインであったことから更に研究に取り掛かり、一方でパーカー好みで高い評価を得られるのであればターリーのスタイルを再現しようと多くの生産者が<フルーティ>や<ジャム感覚>のジンファンデルが多く造られるようになった。このトレンドが2009年まで続いたが、2010年と2011年は気温が上がらず超熟成にジンファンデルが足しなかったことや新たなスタイルに挑戦する若手のワインメーカーが現れ、ピーターソン氏が目指していたジンファンデルへの動きが高まった。

197814(イメージ:Cellar Trackerより)

現在は大きく2つの分野での研究が盛んに行なわれている。まずは長期貯蔵向きのジンファンデルを造ること。そもそもジンファンデルは若い、早飲みに適していると思われていたが、長期貯蔵を考慮し十分に酸とタンニンの抽出を行なえば貯蔵向けのワインを造ることも可能とわかった。もう一つはフランス製オーク樽よりアメリカ製オーク樽のほうがジンファンデルの樽熟成に向いていることが試験で明らかになり、これまでフランス製を使用していたリッジでもアメリカ製にスイッチした傾向が進んでいる。

人気である以上、<ザ・プリズナー>やマイケル・デイヴィッド・ワイナリーの<セブン・デドリー・ジン>など長熟成で<フルーティ>や<ジャム感覚>のジンファンデルはなくならないが、今後はバランスを意識した貯蔵向きのジンファンデルも同時に出てくることをピーターソン氏は予測している。

(ニュース・ソース:Drink Businessより)


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